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ノーストリリア

Literary book

ノーストリリア (ハヤカワ文庫SF)

ノーストリリア (ハヤカワ文庫SF)

 さよならピアノソナタに出てくる<心からの願いの百貨店>の作品として知ってから、ずっと読みたいと思っていた絶版作品が復刊されたので読まない理由がなかった!
 今から遙か未来、不老長寿の効果で宇宙全体を変えた薬を生産する牧場の1つを経営する少年が、地球を買い取り、友情と自分が何者であるかを知る冒険をするお話。だと思う。
 正直言って、おそらく翻訳本に対する慣れの問題で、文章が読みにくかった。ただ、冒険のわくわく感がすごく伝わってきて、地球を買い取ってからは目まぐるしいほどなんだけど、おもしろいけど頭の中で何がおもしろいのか整理できない感覚に…。
 それから、読んでいる間にすごく感じたのは、この物語が遙か未来の宇宙史の上のほんの一部分でしかないということ。そして、その世界観に圧倒される。作り込みっていうレベルじゃないんですよね。あとがきの言葉を借りると、もう作者は1万3千年後に生きていて、彼にとってはその時までに起きた宇宙史の一部を報告しているに過ぎない。
 僕が読んでいる間にこの物語に対してなんとなく感じていたこと、例えば補完機構が何をしている存在なのかとか、人類がどうやってオールド・ノース・オーストラリアに移住してきたのかなどは、すべて訳者あとがきによってとても簡潔な表現でクリアになってしまったんだけれど、そういう意味であとがきが一番おもしろかったかもしれない。