フラッタ・リンツ・ライフ

フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)

フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)


 3巻目(ナ・バ・テアから読んでる)にして今更気付いたけど、キルドレは不老不死の成功例なんだよな。それでいて大人たち、つまりキルドレになっていない人間はそうなりたくないという。
 キルドレは自由を求めて生き続けるために空を飛ぶけど、大人になるとどのステップで死ねただろうかなんて考える。
 大人になると無駄なものが増えていくのかな。それは考えることだったり、身近にあるものだったりするだろうけど。その中で自分に本当に必要なものは何なのか。そういうことかな。
 前に読んでからまたけっこうな間が空いてしまったけど、こんなに内省的だったかな。でもこの地の文の内省的ってのは僕が読んできた「パーフェクト・キス」や十文字青とは別で、というのもそこまで深く潜らない。一瞬潜ったと思ったらすぐに流れて浮き上がってくる感じ。
 あとは、やっぱりこのシリーズは透き通ってる感じがする。ガラスとか水じゃなくて空気のイメージで、それでいてそれなりの力とか向きや躍動感があるから風。でもふわふわしてるわけじゃなくて、しっかり立っている感じがする。
 子供の時単純に羽が生えて空が飛べたらいいのになーと憧れていたことを思い出して、今はもうそんなことはありえないと知っているけど、そんなこともあったなって楽しくなる感じ?
 でも正直言って難しい。よくわからないけどたぶんそんな感じというレベルの感覚。