神様のメモ帳 3
- 作者: 杉井光,岸田メル
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/06/10
- メディア: 文庫
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2巻のラストがあんなだったのでわくわくしながらあらすじ読んで絶望した。そうだった、この作品はそこまで優しくなかった…。でも絶望ばかりじゃないんだよな。というわけでついに3巻です。
至福と絶望と現実の物語とはよく言ったもので、この作品ってたいてい幸せな状況をちらっと見せたあとで、どんどん転がり落ちていく。それはどうにもできない現実で、そんな現実の中でも真実を見つけて更なる現実を見せつけられたりする。
一番良かったのは、ナルミがテツ先輩との勝負になって、ヒロさんと少佐に助けを求めるとき。1巻でナルミが3人に助けを求める場面が大好きだったので、オーバーラップして泣きそうになった。1巻ではあのセリフがきっかけで3人が仲間になったけど、今回はナルミがこのまま壊れてしまうのかと思った仲間の絆を再認識する。
ミンさんも言ったように、ナルミの強さはその世界とその暖かさだと思う。それは杉井光の他の作品にもいえることで、ピアノソナタもそうだし、剣の女王〜もそうだった。そうした仲間の暖かさが、この物語における至福の部分なんじゃないかなと思う。その至福は絶望がひどければひどいほど、大きく感じられるんじゃないだろうか。
少佐がこの巻で最高に好きになった。この人とナルミの会話が最高すぎる。何回か電車の中で笑いそうになってしまって困った。しかし彼らの笑いが時にどん底まで凹んだ主人公を引っ張り上げているから本当に暖かい。
しかし、ナルミは本当に天然でフラグたてるなあ。彩夏が戻ってきた今、正ヒロインはそっちだと思うんだけど。最終的にナルミはアリスと彩夏どっちを選ぶのかで迷ったりするんだろうか…。なんかそれはそれでまずいような気が(笑)
1巻でぼやけてた部分もこっちで全部すっきり解決して、一応一区切りついた感じだけどまだまだ語られてない話がある。アリスの過去編とかやらないのかな。ミンさんが四天王だった話も詳しく聞かせろって感じだし。ていうか杉井光によると神メモのヒロインはミンさんらしいので!
というわけでまだまだ終わってほしくない。そもそも読もうと思ったきっかけのドラマCDもあるし、今後も続くと信じてます。 とりあえずは目先の4巻がすごく楽しみだ。