ラプンツェルの翼

ラプンツェルの翼 (電撃文庫)

ラプンツェルの翼 (電撃文庫)

久しぶりに読みながら叫びたい気持ちになった。
文体が特殊で一文が短くて、登場人物の一挙一動をひたすら傍観しているような気分になる。
その上、主人公は感情の起伏があんまりないし、ヒロインはみんな打算的だったりするし、なんかみんながみんな無味乾燥な気がしてくる。
たまに意味がわからない場面がちらほらあったりもする。公園とか、美穂の涙の右目左目とか、後は電車の中で舐め合ったりとか。
なんというか、夢を見ているときの映像を文章にしたような印象を受けるんですよね。うまく説明できなくてなんだか悔しい。
正直、最後まで読むまでは遼一の夢オチを本気で想像してました。この世界はトラウマを負った遼一が見ている夢で、ゲーム設定と登場人物は現実の象徴で、奈々は遼一が作り出した救済の象徴で…という感じの。
もう、どこからどうみても、読めば読むほど最終試験くじらに似ているとしか思えませんでした。
というわけで面白かったです。どうやら扉の外とツァラトゥストラの階段も読まなければいけないようだ。