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トリックスターズ


トリックスターズ (電撃文庫)

トリックスターズ (電撃文庫)


 一月半ほど前にあったオフ会で「8月に久住四季の新シリーズが〜」って話が出て、そのときにみんながすごくお薦めしていたので読んでみました。
 これはすごい!と言って良いのかどうか…。でも、確かにすごい。まんまと騙された。
 もう4年も前に発売された本なので今更ネタバレ気にするのもどうかと思うけど、僕みたいにこれから読む人もいると思うので以下格納。そういう人は感想やレビューとかで前知識とかまったく持たずに読むと良いと思います。
 というわけで何を書いてもヒントになりそうなので、いっそネタバレ考えずに書く。




 何が一番騙されたかって、一応はミステリの体裁をとっているけど、全然ミステリじゃないってところだ。そもそも事件とか密室とか推理とかミステリっぽい単語を使いまくって、しかもシャーロック・ホームズになぞらえた登場人物の配置までして、これがミステリなんだと思わせることがまず作者の狙いだ。
 まずそこに騙されてしまった僕は魔術師の挑戦状を真に受けてトリックを探してしまった。1番の屋上密室はなんとなくだけどわかってたんですよね。そういう魔術があるってその前に提示されていたから。2番はわからなかったけど、3番はいみなちゃんの考えが1番と同じ手を使えばいけるんじゃないかって予想。で、6番の魔術隠蔽はまぁこういう設定だったらこういうオチだろうっていう予想がその通りだった。
 と考えてたところで半分ぐらい当たっちゃったなーとか勝手に拍子抜けしてたんですが、そんなのは割とどうでもいいことで、挑戦状それ自体がまさに作者が読者を騙すために組んだトリック。
 ラストのなんというか読者を数段高いところから見下ろしてほくそ笑むような反則技連発の展開には思わずニヤニヤしてしまいました。ここまですっかり騙されたのって久しぶり。
 それから、魔術が音楽に近いもので、人の可聴域を超えた音が世界そのものに干渉するっていう設定が素敵だと思った。もっと魔術の活躍も続刊で見られればいいな。