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剣の女王と烙印の仔 1

剣の女王と烙印の仔〈1〉 (MF文庫J)

剣の女王と烙印の仔〈1〉 (MF文庫J)

 今回は最初から最後までシリアスめな杉井光。もちろん主人公はいつも通りヘタレです。むしろいつもより若干加害妄想入ってるんでヘタレ度は上?
 西洋ファンタジーものは初なのかな。雰囲気的には死図目のイタカや、火目の巫女が一番近いみたいだけど、どっちも未読なのでシリアス杉井は初体験。
 個人的にはすごく好きでしたが、ファンタジーそのものの雰囲気のほうではどうなんだろう。かなり長く続きそうな作品で、たぶんこの1巻が1つのプロローグになっていると思うんだけど、それ故にまだ全体の世界観というのが掴みにくくなっているように感じました。
 「杉井光」を求めてこの作品を読むならば満足できるけど、「剣とファンタジー」を求めて読むと、もしかしたら少し物足りないかも?まぁでも僕は完全に前者なのですが。
 キャラクターも割と魅力的なのがそろっていると思う。かなりさよならピアノソナタと似ているところがありますが。具体的に言うとミネルヴァは、まんま真冬ですね。クリスは男の娘。フランチェスカは響子先輩のSなところをパワーアップさせた感じ?人心掌握や戦術にカリスマ性があって最高です。個人的にイチオシはフラン様踏んでください!
 自分の死を未来視出来るミネルヴァと、人の命運を喰らって生き血とする呪いにかかっているクリスが出逢う。母を喪って以来護るべき人がいなくなったクリスに命運を喰らうことで護れる相手が見つかります。そしてミネルヴァ即デレ。早すぎるだろ!この2人のやりとりがとってもくすぐったくてたまりません。
 要するにいつもの杉井光スターシステムが発動して、クリスはミネルヴァに気があるような、「ミネルヴァが死ぬなんて絶対に嫌だ」とか「ミネルヴァの声聴いたら安心した」とか散々言いまくるんですが、それにミネルヴァが恥ずかしがってツンで反応してもクリスは「………?」みたいな感じだったりでやきもきするんですよ!つまりいつも通り!
 そういえば杉井光の作品ってまだ5巻以上のがないんですよね。この作品は1ってついてるぐらいだし、壮大なスケールって言ってるし、ずいぶん長編になるんじゃないでしょうか。ただ、あんまり想像できないけど…とにかく僕は応援します。
 それから、これはこの作品に限ったことではないけれど、杉井光が伝えたいのは、自分に出来ることは何もない、または限られていると思っている少年が、仲間を得てもっと多くの何かを成し遂げていくことで、信頼できる仲間の大切さとその可能性なんじゃないかなぁとか考えてみたりしました。それが杉井光の作品に一貫してあるテーマであり、また僕が杉井光の作品が好きな理由の一つでもあります。いやまぁ最近ちょっと考える機会があったのでどこかで書いておきたかっただけです。